人間の経験が「情報」に取って代わった理由
『経験の絶滅』
The Extinction of Experience(2024)
クリスティーン・ローゼン 著
| 山田 文 訳
|
サンマーク出版
| 464p
| 2,640円(税込)

第1章 その場にいなければわからない
第2章 顔と顔を合わせること
第3章 手からマウスへ
第4章 いかに待つか
第5章 第六感
第6章 媒介された快楽
第7章 場所、空間、セレンディピティ

スマートフォン、SNS、生成AIといった新しいテクノロジーやそれによって出現したメディアやコミュニティは、明らかに私たちの生活やビジネスを変化させた。時間や距離を超えたコミュニケーションなど、利便性、効率性は高まったが、それと引き換えに失われようとしているものがある。現実世界での「経験」である。
本書では、米シンクタンクで働く著者が、現在進行中の、そして近い将来に起こりうる、テクノロジーによる「経験の絶滅」とその結果である人間の変化について、最新の学術論文や記事をひもときながら論じている。若い世代を中心に、対面のコミュニケーションが減少し、マウスやフリック入力ばかりを使うため、手書きの文字の読み書きができなくなってきている。それによって感情を読み取る力や認知能力の低下が危惧されるという。著者は歴史家、作家。米ワシントンD.C.に拠点を置くシンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)シニアフェロー。テクノロジー、社会と文化、フェミニズム、アメリカ史に焦点を合わせて研究をしている。
