新書・文庫
発刊 2026.09
結晶ではなく液体・ガラス状態のMOF第4世代
『北川進先生に、人生と多孔性金属錯体について聞いてみた』
Contents

第1部 未来の材料科学の扉を開ける
 第1章 私の「準備された心」
 第2章 「孔が空いていますよ」
 第3章 MOF研究の出発点
第2部 世界を広げるMOF
 第4章 気体の時代へ
 第5章 柔らかいMOFのすごさ
 第6章 研究力向上

Introduction
自由自在に設計でき、すでに10万種類以上が開発されているナノサイズの構造体MOF(多孔性金属錯体)。北川進氏が1997年に世界で初めてMOFによるガス吸着を報告し学界では知られていたが、同氏の2025年ノーベル化学賞受賞で、一般にもその名前が広まった。どんな用途があり、どこまで研究が進んでいるのか。
本書では、さまざまな産業や環境・エネルギー問題の解決にも資するMOFの研究で世界に先行した北川進氏が、MOFとは何か、自身の生い立ちや研究について、MOF開発のきっかけや最新の成果などを平明な口調で詳しく語っている。高校時代に出会った古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの「パンタ・レイ(万物は流転する)」、大学時代に統計物理学で学んだ「集合」の考え方、そして湯川秀樹氏の著作を通して知った荘子の思想「無用の用」が、MOF開発を「準備する心」を培ったという。著者の北川進氏は京都大学高等研究院特別教授、京都大学理事、京都大学副学長。専門は錯体化学。緑慎也氏はフリーランスの記者で著書に『山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた』(共著、講談社+α新書)などがある。