新書・文庫
発刊 2026.08
我々は時間についてどんな思い込みをしているか
『はじめてのベルクソン』
時間をひらく哲学
平井 靖史 著 | 講談社(講談社現代新書) | 256p | 1,320円(税込)
Contents

第一章 時間という「型」を解きほぐす
第二章 自分を生き直す
    ――『試論』が開いた自由の地平
第三章 私と世界を時間でつなぐ
    ――『物質と記憶』が描く持続のスペクトル
第四章 生命の創造性を解き明かす
    ――『創造的進化』が捉える進化のからくり
第五章 社会地形を書き換える
    ――『道徳と宗教の二つの源泉』がひらく人類の未来

Introduction
私たちは常に「時間」を意識しながら生きている。当たり前のように時計が刻む時の流れに基づき、さまざまな活動をし、睡眠や休息をとる。だが、こうした私たちの時間の捉え方は、本当に「当たり前」なのだろうか。そのような疑問を深く探究したのが、フランスの哲学者、アンリ・ベルクソン(1859-1941)である。
本書では、ベルクソンの哲学の根幹をなす「時間」についての思考を、四つの主著を読み解きながら解説している。ベルクソンは1859年パリに生まれる。30歳で発表した博士論文『意識に直接与えられたものについての試論(時間と自由)』(1889年)、記憶と身体を論じた『物質と記憶』(1896年)、生命進化を問う『創造的進化』(1907年)、社会変革に向き合った最晩年の『道徳と宗教の二つの源泉』(1932年)といった著作を残す。1927年にノーベル文学賞を受賞している。著者は慶應義塾大学文学部教授。専門はベルクソン、ライプニッツなど近現代哲学。PBJ(Project Bergson in Japan)代表、日仏哲学会理事、国際ベルクソン協会理事を務める。