ソ連を世界第二位の工業国に押し上げた石炭産業
『石炭の地政学@ロシア』
Ugol v geopoliticheskoy sisteme koordinat: istoki otrasli, tendentsii, perspektivy
Андрей Сизов 著
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Альпина ПРО
| 196p

第1章 産業革命の燃料
第2章 ロシアは坑内へ向かう
第3章 社会主義の燃料
第4章 西側と石炭――愛から憎しみへ、そこで再び
第5章 ロシアと石炭――破壊から創造へ
第6章 石炭の将来

昨今のホルムズ海峡封鎖の影響による世界的な原油価格高騰などを見るにつけ、エネルギー分野における地政学的リスクを改めて認識させられる。埋蔵量が特定の地域に集中する化石燃料はなおさらだ。長引くロシア・ウクライナ戦争においても、その導火線となったドネツ盆地(ドンバス)は石炭産業の集積地だった。
ロシアで刊行された未邦訳の本書は、ロシアに加えて欧州やアジアの石炭産業史を参照しながら、石炭を単なる燃料としてではなく、鉄道や鉱山、軍需、労働運動、国家政策を結びつける「地政学的資源」として描き出している。とくにロシアにおいては、ロシア帝国の崩壊からソビエト連邦の劇的な重工業化、戦後西欧の「脱石炭化」、そして現代ロシアの市場化と、ドンバス地方を巡る地政学的対立にいたるまで、エネルギーの確保がいかに国力や国境の形成に決定的な影響を与えたかを説明している。著者のアンドレイ・シゾフ氏はロシアのエネルギーおよび国際政治に関する気鋭の専門家。
