
人生の中盤を迎えた40~50代の人たちが、将来の不安や焦燥感、心の不調に苛まれる状態は「中年危機」と呼ばれ、その仕組みや対処法が広く知られている。ただ、「中年期をどう生きるか」は誰もが直面する問いでありながら、これまで個人的問題とされ、時代や社会との交点上で考えることは少なかったのではないか。
本書では、自身も40代になった臨床心理士が、現代の中年期(ミドル・エイジ)の生き方について、これまでの心理学の研究を整理しながら考察している。その上で、既存の「ミドル・エイジの物語」が安定した社会を前提としていること、不安定な社会を生きる現代のミドル・エイジには、もう一つの新しい物語が必要であることを、各界の4人へのインタビューを通じて論じている。著者は臨床心理士・公認心理師。専門は、臨床心理学・精神分析・医療人類学。2026年『カウンセリングとは何か 変化するということ』で新書大賞2026受賞。なお、インタビューゲストの尾崎世界観氏はミュージシャン・作家、角田光代氏は小説家、鷲田清一氏は哲学者、千正康裕氏は元厚生労働省の官僚。

