新書・文庫
発刊 2026.05
50年代の米国で「スター」になった日本人禅者
『鈴木大拙』
世界の禅を生んだ男
碧海 寿広 著 | 筑摩書房(ちくま新書) | 336p | 1,320円(税込)
Contents

序章 近代仏教と大拙
第一章 悟りと進化論
第二章 世界宗教としての大乗
第三章 神秘から伝統へ
第四章 戦時下の日本的霊性
第五章 禅とアメリカ文化
第六章 未完の東西対話
終章 大拙の逆説

Introduction
改めてスティーブ・ジョブズを例に挙げるまでもなく、「禅」に傾倒、あるいはその思想を仕事や人生訓に取り入れる海外の有名人は少なくない。禅が世界に広まったのは20世紀後半、とくに米国東海岸を舞台とする「禅ブーム」からであり、その中心にいたのが「世界の禅者」と称される仏教学者・思想家の鈴木大拙(1870~1966)である。
本書は、西洋と東洋を跨ぐ重層的な思想を展開し「型破り」とも評されながら「禅の世界化」において圧倒的に重要な役割を果たした鈴木大拙の生涯を、最新の研究成果とともに描く評伝である。金沢に生まれ育った大拙は、貧困に苦労しながら上京し、鎌倉の禅寺・円覚寺で修行し渡米。帰国後、京都において仏教の研究を徹底し、1950年代の米コロンビア大学での講義などで禅の極意を西洋の人々に伝えた。著者は武蔵野大学教授。博士(社会学)。龍谷大学アジア仏教文化研究センター博士研究員などを経て現職。