
日本の北端、もっとも国境に近い街の一つである北海道稚内市。ラペルーズ海峡を挟んだ対岸には、かつて南半分が日本領土だった、ロシアのサハリン(旧名:樺太)がある。稚内とサハリンの間では、天然資源をめぐる民間の協力のほか、稚内市役所に設けられたサハリン課を中心に行政主導の交流も進められてきた。
本書は、稚内市役所サハリン課、そして稚内市サハリン事務所長としてサハリンに駐在した著者が、自らの業務や駐在員としての暮らし、現地の人たちとの交流、交流の背景にある日ロ関係などを綴ったエッセイ。国境を越える現場からの貴重なドキュメントである。著者がとくに尽力したのは、稚内とサハリンの交流の生命線ともいえる「稚内-サハリン定期フェリー」に関する業務であり、その他の業務も含め、仕事を通じてサハリンの人々との豊かなつながりを築いていった。著者は1973年北海道生まれ。稚内市役所入庁後、サハリン事務所長、サハリン課長などを歴任。退職後、2023年に個人事業「P.B. ル・デトロワ」を開業し、日ロ関係やサハリンに関する執筆活動を行っている。

