日本の港湾ビジョンが示す「港湾の3段階」とは
『「みなと」のインフラ学 増補版』
PORT 2030の実現に向けた処方箋

序章 みなとの空間計画の歴史・文化・生活からの発想
第1章 わが国の港湾政策とPORT 2030
第2章 海運インテグレーターの出現と港湾に求められるサービスの変化
第3章 荷主による港湾選択の論理と実際
第4章 東南アジアのコンテナシャトル便成立の可能性
第5章 コンテナ貨物輸送のモーダルシフトと港湾利用促進に向けた課題
第6章 PORT 2030の連携と補完
第7章 PORT 2030と輸出貨物の重要性
第8章 内航RORO/フェリーへのモーダルシフトの可能性
第9章 クルーズアイランド化を目指す方策
第10章 クルーズ振興をめぐる期待と課題
第11章 港湾地域における民間資金の活用方策
第12章 資源・エネルギー輸送の政策的な位置づけ
第13章 港湾の環境政策と新エネルギー
第14章 情報通信技術を活用した港湾のスマート化・強靭化
第15章 自働化・AI化による効率性向上の課題と可能性
第16章 農産品輸出と地方港湾の役割
第17章 PORT 2030と九州の地方港湾
第18章 秋田港の新たな動きとPORT 2030の適用可能性
第19章 港湾政策における地方港の位置づけと戦略
第20章 洋上風力発電プロジェクトと基地港の整備
第21章 カーボンニュートラルポート

国際物流の地政学的リスクが顕在化する現在、代替航路の開発・受入、効率化のための設備充実などが求められる「港湾」の重要性は言を俟たない。さらに、観光振興や地球温暖化への対策など、港湾には多様な役割を担う必要が出てきている。政府による全体的な方針に沿った各地域、各港の変革が重要になる。
2020年8月に刊行された初版に、洋上風力発電の基地港とカーボンニュートラルポート(CNP)に関する2章を加えた増補版である本書は、2018年7月に国土交通省港湾局が発表した港湾の中長期政策「PORT 2030」に示された構想を実現するための処方箋をまとめた論考集。「PORT 2030」では、2030年ごろに日本の港湾が果たすべき機能として、Connected Port、Premium Port、Smart Portの3つが挙げられているが、ビジョンを示した上で、具体的なアクションプランの作成は、各地域や個々の港の、関係者との共同による「知的創造作業」に委ねられているという。ダイジェストでは九州地域の取り組みと、洋上風力発電の基地港、CNPについて取り上げた。編著者の山縣宣彦氏は、運輸省(当時)入省後、北九州市港湾空港局長、国土交通省大臣官房技術参事官、港湾局長などを経て2025年から若築建設株式会社特別顧問。加藤一誠氏は慶應義塾大学商学部教授。本書はこの2名を含む25名と1組織が執筆にあたっている。
