米大手建築事務所の再生プランが見落としたもの
『ルワンダの首都キガリの住民による「新都市建設」』
KIGALI: A New City for the End of the World
Samuel Shearer 著
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University of California Press
| 238p

1 はじめに:「アフリカの世紀」の首都をめざす
2 生産:アフリカの大都会を作る
3 ブランド:妄想が支配する
4 破壊:妄想を現実化する
5 修復:パンクな都市計画
6 再生:打ち捨てられた空間

発展途上国に外国資本が入り、大規模な都市開発を実行するケースが増えている。しかしながら先進国の価値観に基づく「持続可能性」「スマートシティ」といったマーケティングイメージが先行し、現地の実態や住民の伝統的価値などを軽視するケースも少なくない。その典型的な例が、ルワンダの首都キガリである。
米国カリフォルニア大学の出版部門から刊行された未邦訳の本書では、キガリを舞台に2000年代初頭から進められた都市計画が、現地の実情や歴史的経緯を十分に考慮しなかったことにより生じた混乱と、立ち退きを命ぜられた非正規居住区住民が築いた「新しい都市」建設について検証している。1962年のルワンダ独立時に首都に定められたキガリは、民族対立や内戦、1994年のツチ族への大量虐殺事件などを経て荒廃し、再建のための都市計画が求められていた。そこで政府が依頼したのが、米国の大手建築事務所OZアーキテクチャーだった。著者のサミュエル・シーラー氏はワシントン大学セントルイス校のアフリカ研究学科助教授。
