
日本の南極観測は、1956年に出発した第1次南極地域観測隊が、拠点として昭和基地を建設して以来、約70年の歴史を積み重ねてきた。1962~64年の中断はあったものの、2025年12月には第67次隊が出発するに至っている。隊員と同行者合わせて100名以上が派遣され、第66次隊では初めて女性が隊長を務めた。
本書では、第60次南極地域観測隊で副隊長、第66次隊で隊長を任された原田尚美氏が、日本国内での準備・計画、実際に南極に到着してからの活動の詳細について、リーダーシップやチームビルディングのコツなどを含めて語っている。南極地域観測隊は、長期プロジェクトでありつつも、隊員が毎年選出され、さまざまな分野のプロフェッショナルが集まり互いに協力して成果をめざすところに特徴がある。著者の原田氏は、東京大学大気海洋研究所附属国際・地域連携研究センター教授で、生物地球化学、古海洋学を専門とする。第33次南極地域観測隊夏隊において史上2人目の女性隊員として参加。第60次では副隊長兼夏隊長を務め、第66次では女性初の隊長を務めた。

