書籍
発刊 2025.10
エネルギー地産地消のモデル、宇奈月温泉の試行
『小水力発電のすすめ』
日欧の地理的文化的比較から
高橋 喜宣 著 | 幻冬舎メディアコンサルティング | 208p | 1,760円(税込)
Contents

第1章 日本と欧州の再エネ事情を比較検討
第2章 小水力の未来への可能性
    ―過去から現在、大規模開発の限界と環境破壊
第3章 日欧規制の違いから、見えてくる小水力発電の課題
第4章 欧州と日本の好事例から、目指すべき小水力発電を探る
第5章 日本の小水力発電の未来を探る
    ―モンスーン・アジア地帯の中の日本の特性から

Introduction
脱炭素のために再生可能エネルギー(再エネ)のさらなる普及が望まれる。再エネの中には「水力発電」があるが、環境破壊など問題が多い旧来の大規模ダムによる発電ではなく、近年注目されるのが「小水力発電」である。地産地消の地域電力としてコミュニティの活性化にも資する小水力発電だが、現状はどうなっているのだろうか。
本書は、欧州の再エネ事情を概観しつつ、それらと比較した上で、小水力発電の拡大による、地域コミュニティの力でつくり出す日本型再エネ社会の可能性を論じている。河川の流れを小型の施設でせき止めて水車を廻し低容量の発電を行う小水力発電は、オーストリアでは200年の伝統があり、当たり前のように普及している。日本においても、第二次世界大戦前には、各地の山村で小水力発電を中心とした地域住民主体の電気事業が広く行われていたという。著者は退職ホテルマンで、元かわさき市民活動センター所属の市民記者。2007年3月から2017年3月まで「神奈川新聞」に84本の取材原稿を掲載。NPO法人市民電力連絡会理事も務める。