
3Dプリンターやクラウドソーシングなどの普及で、個人による発明とその商品化のハードルが下がってきている。また人口減少が著しい日本は、得意とする「改善」のアイデアを特許化し「知財立国」をめざすべき、といった声も聞かれる。そんな可能性を感じさせる、日本人による発明の一つに「フリック入力」がある。
本書では、今や、ほとんどのスマートフォンに標準装備されている文字入力システムであるフリック入力を発明した著者が、その発明から特許取得、Microsoftへの売却までの経緯を詳しく語るとともに、発明につながる発想法、特許出願、製品化とマネタイズなどの具体的メソッドを解説している。フリック入力を著者がひらめいたのは、弁理士試験に合格し、特許事務所に勤め始めた頃のこと。このアイデアに対する職場の人々の反応は今ひとつだったが、「練習のために自分で特許出願してみたら」と助言されたこともあり、自力での出願手続きを始めることになる。著者は弁理士、発明家。弁理士として現在弁理士法人IPXに所属。発明家として発明品を商品化して販売するEDISON LAB(エジソンラボ)を主宰している。

