
世界中で愛されるキャラクターはいくつかあるが、中でも独自の世界観をもつものの一つに、フィンランドで1940年代に生み出された「ムーミン」がある。現在、ムーミンの著作権を管理するムーミンキャラクターズ社を中心としたビジネス・エコシステムが形成されており、積極的なキャラクタービジネスを展開している。
本書は、1940年代にトーベ・ヤンソンによって生み出されたムーミンの遺産を受け継ぎつつ、新たな挑戦を続けるムーミンのビジネス・エコシステムのブランディングや組織づくりを、「寛大さをともなうマネジメント(寛大経営)」として論じている。ムーミンキャラクターズ社を中心とするキャラクタービジネスは、年間の小売販売額が全世界で10億ユーロ近くとなるまでに成長を続けている。著者のポール・サヴェッジ氏は、フィンランドのアールト大学で経済学博士号を取得し、現在はアラブ首長国連邦大学で助教授をつとめ、起業家精神と組織研究を専門とする。ヤンネ・ティエナリ氏は、フィンランドのハンケン経済大学教授で、マネジメントと組織論を専門とする。

