海外書籍・雑誌
発刊 イギリス 2025.10
日本の酒造りを発展させた二つの生産方法とは
『カンパイ! 日本酒とSAKEの歴史』
Kanpai: The History of Sake
Contents

第1章 曖昧な酒の起源――紀元前1000年から紀元1000年
第2章 本格的な酒造の始まり(中世の町や寺院における酒造り)――1400年から1600年
第3章 古代から中世日本での飲酒――700年から1600年
第4章 近世日本の酒造産業――1600年から1868年
第5章 「日本酒」の台頭――1868年から1989年
第6章 居酒屋の歴史
第7章 「本物の酒」を求めて――1970年から2020年
第8章 北米で造られるSAKE――1908年から今日まで

Introduction
「和食」に続き、2024年12月に「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録された。日本酒の輸出額はここ数年で大きく伸びており、輸出先は中国、米国などおよそ80カ国に及ぶ。世界中で日本酒への関心が高まる一方、米国を中心に、海外で醸造されたオリジナルの日本酒=SAKEも生まれ始めている。
英国で刊行された未邦訳の本書では、日本における酒造りの歴史をひもとき、日本酒の起源、産業として成立するまでの経緯、日本酒が果たした役割やその影響について、様々な文献を引用しながら多角的・多面的に解説。さらに、米国における市場拡大にチャレンジする日本の大手酒造企業や、SAKEの開発に邁進する米国のクラフト醸造家たちによる取り組みも紹介する。ダイジェストでは日本の近世における日本酒醸造と、海外でのSAKE造りについて述べた箇所を取り上げた。著者のエリック・C・ラース氏はカンザス大学歴史学部教授。サムライの歴史や、寿司、日本酒など日本の食文化をテーマとした講義を行っている。和食に関する著書も多数ある。