書籍
発刊 2025.08
サプライチェーンの「急所」となる技術の重要性
『技術安全保障』
科学とイノベーションは平和のために何ができるか
山本 晃平 著 | 日本経済新聞出版 | 244p | 3,300円(税込)
Contents

 序章 科学技術に携わる者は平和への鍵を握っている
第I部 論理――戦争を遠ざける重要技術とは何か
 第1章 技術で戦争を遠ざける2つの道
 第2章 防衛における抑止と技術
 第3章 経済安全保障における抑止と技術
 第4章 防衛上の重要技術――ゲームチェンジャー
 第5章 経済安全保障上の重要技術――サプライチェーンチョークポイント
第II部 実践――重要技術で戦争を遠ざける方法
 第6章 重要技術の特定――困難と乗り越えるための方策
 第7章 重要技術の創出――求められるイノベーションの視点
 第8章 重要技術の保護――技術を守ることは日本と平和を守ること
 第9章 重要技術の活用――抑止を有効に機能させるための方策
 第10章 技術安全保障政策を実装可能な体制構築と人材育成
 終章 平和のために科学技術に携わる者が今なすべきこと

Introduction
米中対立といった安全保障環境の変化に、日本政府や企業は対応を迫られている。とくに現代は「技術」が国際情勢に影響を与えるため、経済安全保障重要技術育成プログラム(Kプロ)など、先端技術を「抑止」につなげる取り組みが加速している。では、どのように技術を安全保障に結びつければよいのだろうか。
本書では、いまの安全保障にどんな技術が、どのように関わっているかを具体例も含めて解説しつつ、複数の専門分野の観点から俯瞰して重要技術を見きわめ、平和維持につなげるための見取り図を示す。書名にもなっている「技術安全保障」とは、防衛力強化と経済安全保障の強化のための、安全保障上の重要技術の特定、創出、保護、活用を指す用語。技術安全保障は、単独の専門性だけでなく、安全保障、技術、経済、経営の知見の融合が必要となるという。著者はEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社に所属。工学博士、学術修士(国際政治分野)。第二期経済安全保障重要技術育成プログラム採択審査委員。