新書・文庫
発刊 2025.08
なぜ「◯◯風」画像は著作権侵害にならないのか
『世界は知財でできている』
稲穂 健市 著 | 講談社(講談社現代新書) | 304p | 1,210円(税込)
Contents

第1章 生成AIが揺さぶる「知財」の在り方
第2章 終わらない商標トラブルと炎上
第3章 個人の人格的利益と「知財」
第4章 重なり合う「知財」の行方
第5章 研究者やスタートアップが「知財」で戦う方法
第6章 ところ変われば……「知財」の国際問題
第7章 変わりゆく「知財」の世界

Introduction
生成AIの使用が仕事や日常生活、個人の創作にまで及んできた。何かを生み出すことが容易になった一方で、知らない内に誰かの模倣をしていたり、著作権を侵害するリスクも増した。オリジナルの価値を生み出した人の利益や意欲、創作文化を守るために、著作権など知的財産権への理解を深める必要性が高まっている。
本書は、生成AIに関わる知的財産権を皮切りに、社会の至るところに存在する「知財」とそれをめぐる保護制度や法改正、ビジネス戦略の最新知識を案内している。生成AIに関わる議論では、人間がプロンプトを入力してAIが生成した画像に著作権が認められるか、大量のデータをAIに学習させることは著作権侵害になるのか、画風や作風を真似た生成物は許容されるのか、といった最近生まれた問題を挙げ、現状の解釈を述べる。また、複数の知的財産権を組み合わせた「知財ミックス」戦略と呼ばれる新しい潮流にも触れている。著者は東北大学研究推進・支援機構リサーチ・マネジメントセンター特任教授、弁理士、米国公認会計士(デラウェア州Certificate)、内閣府上席科学技術政策フェロー。著書に『こうして知財は炎上する』(NHK出版新書)、『ロボジョ!』(楽工社)などがある。