
世界最大級のゴム手袋メーカーが経た「試練」
『マレーシアの手袋王ドクター・リムの経営哲学』
MUST KNOW, MUST DO, MUST TEACH: The Journey of Tan Sri Dr. Lim Wee Chai


はじめに 120年の旅路
第1章 ティティ出身の少年
第2章 好奇心旺盛
第3章 営業マンとしての成長
第4章 トップグローブの誕生
第5章 頂点への道
第6章 知るべし、行うべし、教えるべし
第7章 コロナ禍でのピークパフォーマンス
第8章 高く大きな木は風当たりが強い
第9章 貧者を助け、富者を教育せよ
第10章 健康な5つの井戸:健康な120歳への指針
第11章 潮が引いた時にのみ
第12章 小さな池を越えて……大魚と泳ぐために
結論 家族の絆と実力主義


マレーシアに本社を置くトップグローブは、世界最大級のゴム手袋メーカーである。現在会長職を務めるタン・スリ・リム・ウィー・チャイ氏が1991年に創業した同社は、COVID-19のパンデミックによる需要拡大などを経て急成長。今日では米国やブラジル、ドイツにも製造拠点を有し年間950億枚のゴム手袋を生産している。

マレーシアで刊行された未邦訳の本書は、タン・スリ・リム・ウィー・チャイ氏の経歴と、トップグローブ創業の歩みなどを追いながら、氏の経営哲学や人生哲学を紹介する評伝。急成長の反動として起こった危機を乗り越え、事業を拡大していった同社の強みの一つとして社員教育がある。それを支えるのが「Must Know, Must Do, Must Teach」という、業務に関する知識を個人のものとしない、リム氏独自の経営哲学である。著者のプレミラ・モハンラル氏は、再生可能エネルギーと政策問題に関するマレーシアの出版物への寄稿経験のあるライター。共著者のディル・ローハン・セルヴェラジ氏も同分野などで活躍するライター。