「心の平静」を求めた古代ローマのストア哲学
『ストイシズム』
何事にも動じない「無敵の心」のつくり方
A Guide to the Good Life(2009)
ウィリアム・B・アーヴァイン 著
| 竹内 和世 訳
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白揚社
| 336p
| 2,530円(税込)

はじめに――生きるためのプラン
1.ストア哲学はどのようにして生まれたか
2.ストア派の心理テクニック
3.ストア哲学のアドバイス
4.現代人のためのストア哲学

「ストイック」は、現代では禁欲的に自己管理しながら目標達成のために努力する様を指す言葉として使われることが多い。近年、不確実な時代に自分の軸をぶらさない、ストイックな生き方が見直されつつあるようだ。このストイックという言葉は、古代ギリシャ・ローマ時代に広まった「ストア派」の哲学に由来する。
世界的ベストセラーとなった本書では、ストア派(ストア哲学、ストイシズム)とは何かを紹介したうえで、その中心テーマであった「良く生きるための技法」を、現代人にも受け入れられる「人生哲学」として、実践的に解説している。ストイックという言葉は本来「ストア哲学の信奉者」を指すが、古代のストイックたちは、感情を押し殺し、喜怒哀楽に左右されない人びとではなかった。彼らの目標は人生からネガティブな情動のみを消し去り、常に「心の平静」を保つことだったという。著者はオハイオ州デイトンにあるライト州立大学哲学科名誉教授。『欲望について』(白揚社)で、アメリカ図書館協会CHOICE誌2006年度優秀賞を受賞している。なお本書は2013年に白揚社から刊行の『良き人生について』の新装改題版である。
