
なぜ世界で「IKIGAI」ブームが起きているのか
『生きがいの見つけ方』
生きる手ごたえをつかむ脳科学
茂木 健一郎 著
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PHP研究所(PHP新書)
| 216p
| 1,210円(税込)


序.生きがいとは何か
1.偶然と必然
2.意識と無意識
3.自分と他人
4.人工知能と生命
5.境界はあるのか


「MOTTAINAI」など、世界にそのまま通用する日本語はいくつかある。最近では「IKIGAI」がそこに加わったようだ。火付け役は英国で刊行された『生きがい』(The Little Book of Ikigai)。世界32の言語に翻訳され、ドイツでは2024年の年間ベストセラー、ノンフィクション部門1位となった。なぜ今、世界から生きがいが注目されるのか。

本書では、英文書籍『生きがい』の著者である茂木健一郎氏が、IKIGAIブームを受けて改めて「生きがい」の概念を掘り下げている。さらに生きがいや、ウェルビーイングにつながる生き方のヒントを、脳科学の観点から示している。生きがいとは、生きる理由や人生の目的という以上に、生きていることそのものに根ざした感覚であり、日本ならではの文化的背景から生まれたものだとする。また、「自然に感じられる」生きがいには脳の「無意識」の領域が関係しており、この無意識も自身の選択によって「耕せる」と説く。著者の茂木健一郎氏は東京大学大学院客員教授及び特任教授、ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。専門は脳科学、認知科学。「クオリア」(感覚の持つ質感)をキーワードとして脳と心の関係を研究、近年は「人とAIのアラインメント」についての研究に注力している。