

ビジネスにおいて頻繁に使われる語のひとつに「戦略」がある。「経営戦略論」「競争戦略論」などは、学問分野にもなっている。一方で、実務上の意思決定や行動を起こすために立てられる「戦略」もある。マーケティング戦略や営業戦略、あるいはプロジェクトを進めるための戦略などだ。

著者が企業などの戦略構築を支援するために実施している、4時間の講義と4時間のワークショップを組み合わせた「戦略講座」の講義部分をまとめた本書では、あいまいなニュアンスで語られがちな「戦略」を明確に定義づけ、思考の道具として使いこなすための考え方や、具体的な戦略立案のプロセスについてわかりやすく解説。経営戦略論や競争戦略論においては、これまでにさまざまなフレームワークが生み出されているが、本書で解説される「普段使い」できる戦略論ではそれらよりも根本的でシンプルな要素に着目する。「目的」と「資源」である。著者は、株式会社クー・マーケティング・カンパニー代表取締役。17年間の日米P&G勤務を経て、欧州系消費財メーカーや資生堂などで、マーケティング組織強化やビジネスの回復・伸長を、マーケティング担当副社長やCMOとして主導、2018年に独立し現職。