
人々に感動を与える本当の「冒険」の価値とは
『冒険者たちの心理』
彼らはなぜ命を賭けるのか
菊地 敏之 著
|
山と溪谷社(ヤマケイ新書)
| 288p
| 1,430円(税込)


1.「冒険」とは何か
2.冒険の現在形
3.冒険者たちの心理


「冒険」という言葉には、未知の世界に踏み出すわくわく感、新たな発見や成長につながる機会といったポジティブなイメージがあるだろう。一方、冒険の本来の意味は「危険を冒すこと」であり、登山家など実際の冒険者たちは大きなリスクを負って命を賭す。彼らは何を考え、何のために冒険をするのだろうか。

本書は、「冒険」とは何で、どんな意味があるのかを掘り下げるとともに、冒険者たちへのインタビューを通してその心理を明らかにしている。冒険者たちは、命の危険に身をさらす中で葛藤と決断を繰り返し、自分自身と向き合いながら自己実現に向かう。なお、ダイジェストでは、クライマーの山野井泰史氏のコメントを取り上げたが、本書は山岳のほか海洋や極地の冒険についてもとりあげており、クライマー・キャニオニアーの大西良治氏、ヨットマンの片岡佳哉氏らのコメントも紹介している。著者は一般社団法人アルパインクライミング推進協議会会長。10代よりアルパインクライミング、フリークライミング両面で活躍。谷川岳一ノ倉沢烏帽子奥壁大氷柱初登攀など記録多数。元『クライミングジャーナル』編集長。元オペル冒険大賞事務局長。