
意図を正しく伝える鍵となる「スキーマ」とは
『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』
認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策


はじめに 認知科学が教えるコミュニケーションの本質と解決策
1.「話せばわかる」はもしかしたら「幻想」かもしれない
2.「話してもわからない」「言っても伝わらない」とき、いったい何が起きているのか?
3.「言えば→伝わる」「言われれば→理解できる」を実現するには?
4.「伝わらない」「わかり合えない」を越えるコミュニケーションのとり方
終.コミュニケーションを通してビジネスの熟達者になるために


「言いたいことが相手にうまく伝わらない」という経験は誰しもあるだろう。そして、それがトラブルに発展する、あるいは仕事の失敗につながるケースも少なくないはずだ。それらを避けるための、言い方や説明の仕方を変えてみたり、何度も繰り返し伝えようとしたり、といった工夫や努力は有効なのだろうか。

本書では、『言語の本質』(中公新書)で注目を集めた認知科学者が、多くの人が抱える「コミュニケーションの困り事」に対し、その本質と解決策を、「コミュニケーションの達人」への取材などを通じて、認知科学や心理学の視点から解説している。自分が伝えたいことを伝える、もしくは相手の意図を理解するためには、そもそも言葉は「伝わりづらい」ことを前提にすべきであり、そのために重要なキーワードに、認知心理学の用語「スキーマ」があるという。著者は慶應義塾大学名誉教授で、認知科学、言語心理学、発達心理学を専門とする。国際認知科学会(Cognitive Science Society)、日本認知科学会フェロー。