
猛暑を継続させる「ブロッキング高気圧」の正体
『異常気象の未来予測』
立花 義裕 著
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ポプラ社(ポプラ新書)
| 238p
| 1,012円(税込)


1.日本に集中する異常気象
2.なぜ日本に猛暑が来るのか
3.地球温暖化による世界全体の水温上昇
4.なぜ温暖化で豪雨が増えるのか
5.温暖化が日本にもたらす冬の異常気象
6.異常気象で私たちの生活はどのように変化するのか
異常気象 Q&A


日本ではここ数年、夏場には猛暑が続き、冬には豪雪が増えている。地球温暖化の影響との認識は広まっているが、こうした「異常気象」の原因を具体的に説明することは意外に難しい。災害への感度を高めるためにも、なぜ異常気象が起きるのか、今後どうなっていくと考えられるのかを知っておくことは重要だろう。

本書は、地球温暖化が影響する異常気象の原因を、偏西風の蛇行を起点に解説する。偏西風の蛇行は激しくなる傾向にあり、日本は、偏西風から切り離されて生じる「ブロッキング高気圧」の影響で猛暑が続く傾向にあるという。また、赤道付近から流れ込む速く熱い黒潮が「大蛇行」している影響で、日本付近の海面水温は世界でも突出して高くなっており、それが秋を短くする原因になっているようだ。また、北極海氷の激減も日本の気候に影響を与えているという。著者は、三重大学大学院生物資源学研究科、地球環境学講座・気象・気候ダイナミクス研究室教授。北海道大学低温科学研究所、東海大学、ワシントン大学、海洋研究開発機構等を経て、現職。日本気象学会理事、日本雪氷学会理事。