「規制」ではなく「規正」を掲げた法律の意図
『政治資金規正法』
政治活動と民主主義のルールブック
竹内 彰志 著
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中央公論新社(中公新書)
| 232p
| 1,034円(税込)

序.政治資金規正法は機能しているか
1.議員たちの収入と支出
2.繰り返された腐敗と法改正
3.政治資金はどのように集められているか
4.政治資金はどこまで公開されるか
5.それでも生じたカネの問題と法改正
終.残された課題

「政治とカネ」に関する不祥事はたびたび起こる。近年では政治資金パーティーに絡んだ裏金問題が大きく報じられ、政治資金の使用をめぐる国民の目がいっそう厳しくなっている。だがすでに日本には、政治資金の流れを公にし、政治活動の公明さを確保するための法律が存在する。「政治資金規正法」である。
本書では、政治資金を「規正」し、民主政治の健全な発達に寄与することをその趣旨とする政治資金規正法について、政策担当秘書の経験もある弁護士が詳しく解説。議員の収入と支出の実態、寄附や政治資金パーティーによる資金移動の仕組み、情報公開のあり方や今後の課題といった、政治資金規正法に関わる内容を網羅している。政治資金規正法は政治活動を制限する「規制」ではなく、情報を明らかにして正す「規正」に重きを置いている。また、政治資金パーティーが行われる背景には、政治家の属性によっては寄附のみでは政治資金が集まりにくいという事情もあるようだ。著者は早稲田リーガルコモンズ法律事務所パートナー弁護士、2025年度第二東京弁護士会副会長。著書に『こんなときどうする? 選挙運動150問150答[第二版]』(共著、ミネルヴァ書房、2024年)などがある。
