

パソコンやスマホ向けに、Google Mapをはじめとする複数の地図アプリがリリースされている。各々には便利な機能が搭載されているが、それらを上回る多機能かつ正確なWeb地図が公的機関から無償で提供されていることは、一般にはあまり知られていないようだ。国土地理院が発信する「地理院地図」だ。

本書では、もはや「地理院地図を見ない日はない」という日常を過ごす地図研究家が、「100人いれば、100通りの使い方ができる」とまで言われる地理院地図(https://maps.gsi.go.jp/)の楽しみ方、使い方を豊富な図版とともに紹介している。地理院地図の大きな特長の一つに、地形の高低、すなわち「標高」が即座にわかる点があるという。任意の地点の標高が表示されるだけでなく、「3Dメニュー」ではWeb上で立体地図を自作できる。さらに、等高線の幅や色を設定して地図をカスタマイズすることで、平地のわずかな高低差が一目でわかり、土地の歴史を考察することも可能になる。著者は地図研究家。一般財団法人日本地図センター客員研究員、日本地図学会「地図と地名」専門部会主査などを務める。