

コンビニ第2位のローソンがここに来て大きな動きを見せている。コロナ明けの2023年度決算で業績急回復が明らかになり、2000年の東証一部上場以来の好決算となった。そしてその決算発表と同じ頃、KDDIがローソン株のTOB(公開買付け)を行い、同社はKDDIと三菱商事が50%ずつの株を保有する非公開企業となった。

本書は、鮮やかなV字回復を果たし、環境変化に応じた「大変革」を続けるローソンの成長戦略を、精緻なデータ分析、丹念な現場取材や関係者へのインタビューなどから解き明かす。2017年に就任した竹増貞信社長は、コロナ禍の影響で一変した顧客の生活や消費行動に対応し、「お客様のためにすべてがある」という視点のもと、もう一度ローソンのあるべき姿を検討する「ローソングループ大変革実行委員会」を2020年に公式に立ち上げた。著者は、経営学者、エッセイスト。日本フローラルマーケティング協会会長(創設者)、有限会社オフィスわん代表取締役。1986年~2010年法政大学経営学部教授、2004年~22年同校経営大学院イノベーションマネジメント研究科教授を務め、現在同校名誉教授。