
独の名門企業が英ボーダフォンに解体されるまで
『ドイツの巨艦企業「マンネスマン」の盛衰』
Mannesmann ging voran: Aufstieg und Übernahme
Joachim Rauhut 著
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Klartext Verlag
| 332p


1.傾斜圧延と聖地巡礼
2.モンタンウェルト唯一のラウンド
3.多角化、大きな一歩
4.次のステップ テクノロジー集団
5.ペースアップする事業家
6.同時進行:電話通信と自動車
7.成功、喪失、そして突然の別れ
8.あらゆるところで アルフレッド・ラポートとテレコミュニケーション
9.増大する企業価値と買収リスク
10.買収され、そして打ち砕かれた
11.その後の展開
12.何が残ったのか


19世紀末、シームレスパイプ(継目無鋼管)製造技術の発明をもとに設立された鋼管メーカーを母体とし、1980年代から多角化を推し進め巨大コングロマリットとなったマンネスマン・グループ。ドイツを代表する名門企業グループに成長したものの、2000年に英国の通信大手ボーダフォンにより買収され、消滅することになった。

ドイツで刊行された未邦訳の本書は、かつてその名を世界にとどろかせたマンネスマンの、50年間の盛衰を追ったノンフィクション。時代の趨勢に沿った事業多角化はマンネスマンの規模を拡大し、安定経営を実現させた。その一方で、通信事業の急速な成長が仇となり、英国企業ボーダフォンによる敵対的買収の標的とされることに。2000年に行われたボーダフォンによる巨額のM&Aは、当時世界最大級の買収として、ビジネス界に衝撃を与えた。著者のヨアヒム・ラウフト氏は、1982年にマンネスマン傘下のデマグでキャリアを開始。国内外での様々な職務を経て、1999年にはマンネスマンの財務担当取締役に就任。買収されるまでその任を務めた。