
創造性とも深く関わる睡眠時の「夢」の効用とは
『夢を見る技術』
最新脳神経科学が明かす、睡眠中の脳の驚くべき力
THIS IS WHY YOU DREAM(2024)
ラウール・ジャンディアル 著
| 橋本 篤史 訳
|
光文社
| 296p
| 2,530円(税込)


はじめに 夢は役に立っている
1.夢を見るように進化した私たち
2.私たちには悪夢が必要だ
3.夢のなかで浮気するのはなぜか―性的な夢
4.夢は創造性を解き放つ
5.夢からわかる健康状態
6.夢の世界をコントロールする
7.明晰夢を誘発するには
8.夢を外から覗く、操作する―夢の未来
9.見た夢の意味を読み解く
おわりに 夢の並外れた力


われわれ誰もが睡眠中に見る「夢」が、日中の仕事や日常生活に役立つと考える人は少数だろう。だが、近年の脳神経科学によると、「夢を見ること」は、クリエイティビティをはじめとするさまざまなスキルと関係している。実際にテクノロジーを用いて夢の力を活用するための研究も進められているという。

本書では、最新の夢研究や脳神経科学の知見をもとに、夢を見るメカニズム、人間にプラスの効果をもたらす夢の潜在能力とその活用法などを詳しく解説する。「夢を見ること」は人類が進化の過程で獲得した能力で、種として生き残るために不可欠なものであったことが、最新の研究で明らかになっている。夢は非論理的で無秩序なものがほとんどだが、そのことが創造性を喚起し、感情を調整するのに役立っているのだという。著者は脳神経外科医であり神経生物学者。米国ロサンゼルスの医療研究施設「シティ・オブ・ホープ」のジャンディアル研究所を率いながら、難易度の高いがん手術の執刀にもあたっている。