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発刊 2025.04
西洋の「逆行」で高まるアジアリーダーへの期待
「西洋の「逆行」を克服すべく、アジアが書くべき「新しい脚本」」(Dialogue)
A new script for Asia
Introduction
米国を中心に、企業経営の「ある傾向」が世界に広まりつつある。「DEI(多様性、公平性、包摂性)施策の後退」である。ESG(環境、社会、ガバナンス)の取り組みも縮小傾向にあり、近年の社会善をめざす企業行動からの「逆行」ともいえる。その原因を「西洋モデル」に求め、アジアのリーダーに期待する声もあるようだ。
米国発行の季刊ビジネス誌「Dialogue」2025年第2四半期号に掲載された本記事では、少なくない企業が、DEIやESGに関して「逆行」する傾向にあるのは、西洋型の経営モデルに原因があるとし、それとは異なる「新しい脚本」をアジアのリーダーシップに求めている。「後退」や「逆行」には、政治的、経済的な原因が一般的には指摘されるが、本記事では、短期利益を求める「株主優先主義」に本質があるとし、それに対抗、克服するための3つのポイントを指摘する。筆者のチャンドラン・ナイール氏は、汎アジアの独立系シンクタンクであるThe Global Institute For Tomorrow(Gift)の創設者兼CEO。