
なぜ情報に「自己修正メカニズム」が必要なのか
『NEXUS 情報の人類史 上』
人間のネットワーク
NEXUS(2024)
ユヴァル・ノア・ハラリ 著
| 柴田 裕之 訳
|
河出書房新社
| 304p
| 2,200円(税込)


1.情報とは何か?
2.物語――無限のつながり
3.文書――紙というトラの一嚙み
4.誤り――不可謬という幻想
5.決定――民主主義と全体主義の概史


世界的な影響力を持つ知識人として知られるユヴァル・ノア・ハラリ氏だが、同氏が、「テクノ人間至上主義」「データ教」に支配される未来を描いた『ホモ・デウス』の原書発売から、およそ10年が経過。生成AIの台頭に鑑みて、データ教は着実に広まりつつあるように見える。ハラリ氏の新たな視点はどうなのか。

ハラリ氏の最新作である本書では、改めて「情報」に焦点を当て、『サピエンス全史』で辿った人類史と、『ホモ・デウス』で予見した未来を、再び語りなおしている。上巻では、「情報ネットワーク」の歴史的転換について詳細に論じる。情報の「素朴な」定義としてよく言われる「真実(現実)を表そうとするもの」に反対し、「物事を結びつける」という情報の決定的な特徴を強調し、その結びつき=NEXUSのあり方が、テクノロジー進歩に従い大きく変化してきているのだという。著者のハラリ氏は、歴史学者、哲学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して2002年に博士号。世界の著名なメディアへ寄稿するなど発信を続ける。