

海洋は地球の表面積の約7割を占め、人類はそこから多くの資源を得るとともに、船舶などの移動手段を通じて貿易や交流に活用してきた。それらを円滑に進め、国家間の争いを防ぐために整備されているのが「海洋法」である。とりわけ四方を海に囲まれた日本にとっては、きわめて重要な国際法の一つといえる。

本書では、船舶運航、海洋環境保全、漁業、資源開発、海底ケーブル、科学的調査、安全保障など、広範な領域を包含し、政府や関係省庁のみならず、海運業界、環境保護団体、水産会社、商社などにも関係する海洋法について、課題ベースの構成で非専門家にもわかりやすく解説。大国だけでなく、人口の少ない島嶼国にとっても死活的に重要な海洋法は、1982年に第三次国連海洋会議にて採択され、「海の憲法」とも呼ばれる「海洋法条約」を中心に、運用されてきた。著者は、早稲田大学大学院アジア太平洋研究科准教授。国際法・海洋法を専門とし、早稲田大学比較法研究所助手、横浜市立大学国際総合科学部准教授などを経て、2023年より現職。