国際的に評価されている日本の給食の特長とは
『世界の「学校給食」政策』
Transforming School Food Politics around the World
1 国家による学校給食プログラムのパワーと可能性
2 若者や労働者の声を届けるための場を確保する
3 公正な給食プログラムを模索する
4 システム変革のためのツールとキャンペーン
子どもの学び舎に欠かせない要素の一つに給食がある。単に食事を供するだけでなく、児童が安心して教育を受け、健康を維持し、地域コミュニティへの信頼感や一体感を持てるといった恩恵があるようだ。今日、各国の政府や諸団体は「給食の普遍化」に力を注いでいるという。どんな政策や取り組みが生まれているのか。
マサチューセッツ工科大学(MIT)出版局から刊行された未邦訳の本書では、世界各国・地域の学校給食に関連する政策や仕組みの変化の動きを、多数の論文をもとに考察。給食の持つ多様な意義やステークホルダーの意図などを浮かび上がらせている。例えば日本で行われている「地産地消」の取り組みは、農村の衰退や自給率といったローカルな課題に目を向け、地域社会で解決に向かうためのきっかけにもなっているという。編者のジェニファー・E・ガディス氏はウィスコンシン大学マディソン校の市民社会およびコミュニティ研究の准教授。サラ・A・ロバート氏はニューヨーク州立大学バッファロー校教育大学院の准教授。