日本のゲーム機がきっかけの半導体大手の成功
『エヌビディア 半導体の覇者が作り出す2040年の世界』
1.エヌビディアとは何者か
2.AIの技術開発と各国企業
3.世界半導体業界のトップへ
4.自滅した日本の半導体産業
5.工場を持たない、設計に特化したファブレス企業
6.半導体とは何か
7.注目企業と半導体のサプライチェーン
8.エヌビディアが注力してきたGPUとは何か
9.創業してからAIに辿り着くまでの道のり
10.広がる技術と、各国企業との幅広い連携
11.AI技術の進化は、半導体の進化でもある
12.現実のAI、これからのAI
2024年6月18日、市場に衝撃が走った。米半導体大手エヌビディアの時価総額が約3兆3350億ドルに達し、世界首位に躍り出たのだ。生成AIの「頭脳」となる半導体の急成長によるものという。今やGAFAMに2社を加えた、米国株式市場を代表するテック企業「マグニフィセント・セブン」の一員となった同社。どんな企業なのか。
本書では、日本では一般にあまり知られていないエヌビディア(NVIDIA)の、これまでの技術革新の道のりを、半導体やAI産業全体の現況とともに解説している。エヌビディアは、ゲーム機で写実的な3次元グラフィックスを描くためのGPU(Graphics Processing Unit)を開発する企業として1993年にスタート。2024年ノーベル物理学賞受賞者の一人、ジェフリー・ヒントン氏が、2012年に、ニューラルネットワークによる高度な画像認識技術「AlexNet」を発表したが、その高速の機械学習にエヌビディア製のGPUなどが使われたことから、同社は一躍注目を浴びることになる。著者は、国際技術ジャーナリスト、News & Chips編集長。日経BPにて、「日経エレクトロニクス」「日経マイクロデバイス」、英文誌「Nikkei Electronics Asia」等の編集記者、副編集長、シニアエディターを経て、アジア部長、国際部長などを歴任。海外のビジネス誌の編集記者、日本版創刊や編集長を経て現在に至る。