仕事でも日常生活においても、「文章力」は重要かつ有効なスキルになる。他者に何かを伝えることが、多くの場合、物事を進める上でキーポイントだからだ。生成AIが文章作成をしてくれるからといって、文章力が要らなくなるわけではない。人の心を動かすには、人間しかできない表現が求められることがある。
本書は、読み手の心に響く文章を書くための方法や心構え、「感性の鍛え方」を解説。名作の引用や、著者が各地の文章塾で添削してきた作文などを「文例」に引き、文章構成の基本、避けるべき表現などを具体的に指南している。言葉を綴る際に意識すべき「型」の一つに「起承転結」がある。このうち、著者は「転」こそが、生成AIには書けない文章を作る上で、もっとも大切と述べる。著者は、作家、評論家、百姓、猟師、新聞記者。朝日新聞社AERA編集部、ニューヨーク支局、文化部などを経て九州へ。長崎県旧田結村で米作りを、長崎と熊本で鉄砲猟をしつつ、著述に励む。