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発刊 アメリカ 2024.06
インド太平洋の安全保障を決定づける5つの要因
『新時代のインド太平洋 その地政学と海軍力』
The New Age of Naval Power in the Indo-Pacific: Strategy, Order, and Regional Security
Contents

1 インド太平洋における海軍力と地域安全保障の枠組み
2 中米競争における地政学と戦略地理
3 法、秩序、そして海洋の(不)安定
4 海洋資源と地域競争
5 海における核秩序
6 技術、エスカレーション、インド太平洋における戦争
7 アジア諸国とインド洋における初期帝国の競争
8 「アジアの問題」と第一次世界大戦前の帝国競争
9 両大戦間の極東
10 冷戦における超大国の競争と戦略バランス
11 北東アジア
12 東シナ海と南シナ海
13 台湾海峡
14 南太平洋
15 インド洋:米印パートナーシップの台頭?
結論 インド太平洋における戦略、秩序、そして地域安全保障

Introduction
今日の国際社会の安定を語る際に、頻出するキーワードが「インド太平洋」だ。アジア太平洋からインド洋を経て中東・アフリカに至る広大な地域を指す地政学上の概念だが、米国や中国をはじめ各国の力がせめぎ合い、安全保障上の緊張を生んでいる地域でもある。世界はインド太平洋にどのように向き合うべきか。
米国で刊行された未邦訳の本書は、国際安全保障上きわめて重要なインド太平洋における、国家間の海軍力競争に焦点を当てた論考。海軍力がどのように、そしてなぜ重要なのかを説明する「5つの環境要因」という独自の枠組みを提供している。とくに近年は中国が台頭し、海上交通の支配力を米国と奪い合っているが、両国が採る海軍戦略には変化が見られるようだ。編者のキャサリン・L・グラント氏は海軍大学院の元研究員、アレッシオ・パタラーノ氏はキングス・カレッジ・ロンドンの戦争研究科の教授、ジェームズ・A・ラッセル氏は海軍大学院の国家安全保障問題学科の准教授。