指揮者の原体験を演奏に繋ぐコンサートマスター
『音楽が人智を超える瞬間』
篠崎 史紀 著
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ポプラ社(ポプラ新書)
| 287p
| 1,100円(税込)
1.ウィーンが「音楽の流儀」を教えてくれた
2.ウィーンで身につけたマロ流妄想力
3.北九州が「人生の流儀」を育んでくれた
4.N響が「コンサートマスターの流儀」を確立させてくれた
5.偉大なマエストロたちが音楽の流儀を教えてくれた
6.いま、日本の音楽界に、そして故郷に伝えたい思い
クラシック音楽のオーケストラで、演奏者たちをまとめ、美しいハーモニーを生み出すのは指揮者に他ならない。だが、オーケストラにはもう一人、重要なポジションを任されるメンバーがいる。「コンサートマスター」だ。コンサートでは指揮者の左側、最前列で演奏するヴァイオリニストであることがほとんどだ。
本書では、日本を代表するオーケストラであるNHK交響楽団(N響)で26年間「第1コンサートマスター」を務めた著者が、これまでの経験と、その中で培った音楽論を語っている。「マロ」の愛称で知られ、「永遠の5歳児」を自称する好奇心や自由な発想、音楽以外の多彩な趣味や活動から、「音楽界の異端児」とも言われる著者だが、常に「ワクワクすること」をやっているだけなのだという。その独特の感性はどのように育まれたのか。著者の篠崎史紀氏は現在、NHK交響楽団特別コンサートマスター、九州交響楽団ミュージックアドバイザー。2004年から演奏会シリーズ「MAROワールド」を開催し、そこから弦楽合奏団「MAROカンパニー」を結成した。