野菜でビタミンCや食物繊維を摂取するのが健康にプラスに働くことは常識だ。だが、具体的にどんな野菜が、どういう効果を、どれほどもたらすのか。また、なぜ私たちの食事に野菜が欠かせないのか詳しく語れる人は少数だろう。実は人類の歴史をたどると、野菜の摂取が種の存続に関わってきたようなのだ。
本書では、遺伝子を研究し、予防医学に取り組んできた医師が、「なぜ人は野菜を食べるべきなのか」を科学の知見を踏まえて幅広く解説。菜食と進化、歴史との関係、栄養学および予防医学からみた野菜の機能、そしておいしく野菜を食べるためのレシピなど、野菜に関する雑学的知識を豊富に提供する。野菜にさまざまな有益な成分が含まれている理由は、その場から動けない野菜だからこその生存戦略なのだという。著者は医学博士で、国際医療福祉大学病院内科学/予防医学センター教授。DNAチップ技術を世界でほぼ初めて臨床医学に応用し、論文を発表。また人工透析患者の血液の遺伝子レベルでの評価法を開発し、国際特許を取得している。