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発刊 南アフリカ 2024.09
高齢化で直面するエッセンシャルワーカーの不足
『エッセンシャルワーカー不足がもたらす「文明の衰退」』
The Age of Decay: How Aging and Shrinking Populations could Usher in the Decline of Civilization
Contents

1.厳しい現実に目を覚ます
2.ベビーブームからベビーバスト(超少子化)へ
3.エッセンシャルワーカーが転換点を決定する
4.すぐにでも起こり得る
5.自動化・ロボティクス・AIは問題の解決になるか?
6.退職年齢の引き上げ効果には限度がある
7.悪しき教育――先進国市場における雇用の不調和
8.取扱注意
9.崩壊した人生
10.滅びゆく都市
11.機能不全寸前のサプライチェーン
12.逆グローバリゼーションが問題をより深刻にする
13.アフリカの世紀
14.ディアスポラは戦略的資産
15.移住――群衆を我が国に
16.需要の枯渇
17.課税基盤の縮小
18.投資の減少
19.父の負債
20.生活水準の低下――市民の貧困
21.特異な国――米国、カナダ、ノルウェー、オーストラリア
22.地球は一息つく
23.今が限界なのか
24.いつ終わるのか

Introduction
現在、アフリカなど一部の国をのぞいて多くの国が少子高齢化の進行に直面している。労働人口の減少による経済活動の鈍化、社会保障制度の瓦解、地方都市の衰退など様々な問題につながる少子高齢化だが、とりわけ社会に深刻な影響をもたらすと予想されるのが、エッセンシャルワーカーの不足だ。
南アフリカで刊行された未邦訳の本書では、先進国における少子高齢化がどのようにエッセンシャルワーカーの減少につながり、ついには社会の崩壊を引き起こす可能性があるかを、複数のデータを示しながら解き明かす。エッセンシャルワーカーがある臨界点を超えて減少すると、社会基盤は崩壊に向かい始めるという。AIの活用や退職年齢の引き上げ、移民受け入れといった複数の対応策も検討されているが、どれも抜本的な解決策にはならないようだ。著者のシャミル・イスマイル氏は投資アナリスト。過去30年間にわたり消費者市場の様々な側面に関わってきた。2015年、南アフリカにBtoC企業向けの調査会社Primaresearchを設立。