2024年1月にNTTドコモの研究所が行った調査では、携帯電話所有者のスマートフォン所有率が97%に達したという。10年で2倍以上になったのだが、今から10年後にはまったく異なるデバイスが、スマホ同様に日常生活に溶け込んでいるとの未来予測もある。「空間コンピューティング」のデバイスだ。
本書では、2024年2月にAppleが発売したApple Vision Proが実現しようとしている「空間コンピューティング」について、それがどういうものでどのようなインパクトを社会に与えるのか、「日本再興」を狙えるビジネスチャンスとしての側面も含めて解説している。Apple Vision Proは、Meta(元Facebook)などの他社が既に開発しているヘッドマウント・ディスプレイに類するゴーグル型のVRデバイスだが、使用に違和感を感じさせない最新の技術が盛り込まれており、重量やバッテリーの持ちなどに課題があるものの、「あらゆる空間がインターネットの入口になる」未来を垣間見させてくれる、可能性に満ちた新商品なのだという。著者は株式会社STYLY取締役COO。電通国際情報サービス執行役員、同社内事業の「オープンイノベーション研究所」所長を経て、起業家として活躍したのち、 内閣府が管轄する日本人材機構のスタートアップメンバーとして地方企業の人材育成やコンサルティングに多数携わる。2016年から現職。