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発刊 フランス 2024.04
公共政策に中小・零細企業への視点が必要な理由
『中小企業がフランスの未来を拓く』
環境、AI、社会の絆…なぜ中小企業が明日の挑戦の鍵となるのか
L’avenir appartient aux PME: Environnement, IA, progrès, lien social... Pourquoi les PME sont la clé des enjeux de demain
Bernard Cohen-Hadad 著 | Dunod | 160p
Contents

はじめに スモール・イズ・・・・・・
1.思いやりの経済
2.成長の果実を分かち合う
3.地域でのより良い生活と働き方
4.CSRの展望
5.国を挙げての中小企業のデジタル化
6.資金調達のための環境配慮、環境配慮のための資金調達
7.ZFE-Mに関する大きな誤解を解く
8.中小企業を断固として支援する
9.年金問題の争いを終わらせる
10.デモの自由、商業の自由、産業の自由を調和させる
11.日曜労働:経済的なチャンス
12.2024年パリオリンピックの最も素晴らしい遺産
13.勇気と不人気の賭け
14.左派は企業に対する態度を改めるべき
15.右派は社会的・起業家的価値を再確認するべき
16.民主主義を再学習し、対話を再開する
17.労働力と移民
18.若者の職業指導と職業的統合
19.経済活動を共和国の忘れられた地域の中心に戻す
20.企業内でも、宗教が法となってはいけない
21.「中小企業国家」、統合のレバレッジ

Introduction
中小企業が成長の原動力となったというと、ドイツを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。だが、隣国フランスでも国内企業の99%以上が中小・零細企業であり、全産業を支える重要なセクターであることは間違いない。フランスの中小企業の強みを生かしたDXやグリーン化を進めるには何が必要とされているのか。
フランス語で刊行された未邦訳の本書では、フランスの中小企業が直面しているDX、グリーン化といった今日的な課題と現状を取り上げつつ、それへの政府や地域の支援について、複数の提言を行っている。国内企業の大部分を占める中小企業は、フランス経済における主要なプレーヤーである。環境政策やデジタル推進などの国家的課題も中小企業の参加がカギを握るとし、「中小企業国家」の構築への提言を行っている。著者のベルナール・コーエン・ハダッド氏はCPMEパリ・イル・ド・フランスの会長。自身が設立したシンクタンク「エティエンヌ マルセル」と、イル・ド・フランス地域経済社会環境評議会(CESER)の経済開発委員会の委員長も務める。