地域社会を乱すジェントリフィケーションとは
『L.A.チャイナタウン その葛藤の軌跡』
The Power of Chinatown: Searching for spatial justice in Los Angels
Laureen D. Hom 著
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University of California Press
| 300p
1.チャイナタウンの起源と再構築
2.コミュニティ内での活動
3.コミュニティ規律の法制化の限界
4.バランスと多様性のあるコミュニティを目指して
5.場所の民族的文化の維持
6.結論:チャイナタウンの可能性
米国カリフォルニア州ロサンゼルス市のユニオン駅近くに位置する「ニュー・チャイナタウン」。1930年代後半に誕生した、中国系米国人の居住地として歴史のある街だ。独特な景観と街の雰囲気が訪れる者を楽しませているが、住宅開発などに伴い、地域のコミュニティは、少なくない解決の難しい課題に直面している。
米国で刊行された未邦訳の本書では、米国でもっとも歴史のあるチャイナタウンの一つであるロサンゼルス・チャイナタウンについて、その発展の軌跡を考察。チャイナタウンの中国系住民が、ジェントリフィケーション(都市に高所得層が流入し、家賃高騰などにより既存の低所得層が排除される現象)を引き起こす住宅開発をどのように捉えてきたか、ウォルマート・ネイバーフッド・マーケットの出店をめぐり、いかなる葛藤があったか、などを詳細に論じている。著者のローリーン・D・ホム氏はサンホセ州立大学都市・地域計画学部准教授。都市研究、民族研究、公共政策、行政学が交差する学際的研究を進めている。