戦闘に加わらず助言、指導のみを行う米軍組織
『米陸軍の新組織“SFAB”のストーリー』
Green Light, Go!: The Story of an Army Start Up
Col. David B. Rowland 著
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Koehler Books
| 372p
1.それは一本の電話から始まった
2.土を耕し、土を食う。チームにふさわしい人材を見つけて採用すること
3.専門家チームを編成する
4.シードステージ。予備作戦とトライアルを行う(βモード)
5.出動準備(成長ステージ)
6.最終試験。5th SFABの大規模訓練を実施する
7.いざ出陣
8.退陣フェーズ、トランジション
9.起業家精神を持つ人々
米国安全保障部隊支援旅団(SFAB)は、米政府の安全保障目標を達成するため、協力国・同盟国軍隊への訓練や支援、助言等を行い、連携強化を図る米国陸軍の専門組織である。2017年から2020年にかけて6旅団が設立された。その立ち上げには、あたかもスタートアップのような意識や行動が求められたという。
米国で刊行された未邦訳の本書は、SFABでの任務を自ら志願し、インド・太平洋を活動地域とする第5SFABの中の第1大隊(1/5 SFAB)を率いる立場となった著者の回顧録。1/5 SFABをゼロから立ち上げ、人材を集め訓練し、パートナー国と調整しながら一年足らずで配備する一連の任務は、前向きな試行錯誤の連続であり、やりがいのあるものだったようだ。著者のデイブ・ローランド大佐は、空挺部隊、レンジャー部隊、ストライカー部隊とともにイラクやアフガニスタンはじめ世界各地に派遣された経験を持つ米国陸軍の歩兵大佐。