上空待機の飛行機を誘導する「3次元パズル」
『航空管制 知られざる最前線』
タワーマン 著
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河出書房新社(KAWADE夢新書)
| 224p
| 979円(税込)
1.安全な運航に欠かせない航空管制システムの全体
2.管制官とパイロット、緊迫の交信の実際
3.ルールと現実の狭間で最適解を出す
4.スムーズな捌きは管制官同士の連携から
5.過密な空港のリスクと事故防止の対策
6.管制官に求められる知識とスキル
7.最新テクノロジーと航空管制の未来
飛行機は、事故の確率が低いことから「最も安全な乗り物」と呼ばれることもあるが、背景の一つには、航空管制による厳格な管理があるようだ。一方、2024年1月に羽田空港で発生した日本航空機と海上保安庁機の衝突事故では、ヒューマンエラーも指摘された。航空管制の最前線は、どうなっているのだろうか。
本書は、あまり一般には知られることのない航空管制の実際を、飛行機の出発から到着までの管制の流れ、パイロットと管制官との交信の現場、最新テクノロジーの活用など多様な側面から詳述している。1機の飛行機の離着陸にかかる時間は約90秒だが、混雑する空港で滑走路を安全に効率よく使うためには、次々と離着陸する飛行機を“捌く”管制官の腕が問われるのだという。また、声だけを頼りにパイロットと交信するにあたり、確実に指示を伝えるための工夫もあるようだ。より安全で効率のよい航空管制の実現に向け、進みつつあるデジタル技術の導入についても紹介している。著者は、元航空管制官。航空専門家。管制官時代は成田空港で業務に従事した。退職後、航空系ブロガー兼ゲーム実況YouTuberとなり、テレビ出演や交通系ニュースサイトへの寄稿なども行っている。