

世界で日本食ブームが起きて久しいが、われわれ日本人が思い浮かべるであろう日本食の中に「そば」があるのは間違いない。だが実は、植物のそばを使った料理は世界各地にあり、そばを伝統的な日本固有の食品と言い切ることはできない。では、そもそも「そば」とはどんな特性を持った食品なのだろうか。

本書では、長年にわたり研究に取り組んできた国内外の研究者が、食文化、植物学、栄養学、医学などさまざまな側面からそばを解説している。最近の研究で、一般的に食される「普通そば」の植物としての起源はヒマラヤ山岳地帯であり、栽培起源は中国南西部であることがわかったという。そこから朝鮮半島を経て日本に伝わる一方で、シルクロードなどを介して欧州やロシアに広まった。欧州ではガレットなどのそば製品が有名だ。編者は神戸学院大学名誉教授。農学博士。本書の執筆陣には編者の池田氏のほか、Ivan Kreft氏、本田裕氏、Gunilla Wieslander氏、Dan Norbäck氏、朝見祐也氏、鈴木達郎氏、笠島真也氏が加わっている。