日本初女性裁判所長による家庭裁判所の改革とは
『三淵嘉子 日本法曹界に女性活躍の道を拓いた「トラママ」』
青山 誠 著
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KADOKAWA(角川文庫)
| 228p
| 858円(税込)
1.母たちの時代
2.「一流の花嫁切符」を捨てて
3.最難関の国家試験に挑戦
4.前途多難の船出
5.嘉子の覚醒
6.“天職”との出会い
7.夢中で走りつづけた人生
2024年度前期のNHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。戦前・戦後に活躍する女性法律家の一生を描いた同作は、骨太なテーマと堅実なドラマ構成によって、実際の法曹人からも支持されているという。伊藤沙莉さん演じるヒロインのモデルとなったのが、日本初の女性弁護士、女性裁判所長となった三淵嘉子である。
本書は、女性法律家のパイオニアとしてリーダーシップを発揮した三淵嘉子(1914-1984)の生涯を描く評伝。台湾銀行に勤務していた武藤貞雄の長女としてシンガポールに生まれた嘉子は、戦前の日本で自由主義的な価値観を持っていた父親の勧めで、女学校卒業後に法律を学ぶことを決意する。明治大学専門部女子部と同大学法学部に進学し、難関の高等試験司法科試験に合格。日本初の女性弁護士の一人となり、日本の法曹界に多大な功績を残す第一歩を踏み出す。著者は歴史、紀行、人物伝記などを得意とするライター。大阪芸術大学卒。『笠置シヅ子 昭和の日本を彩った「ブギの女王」一代記』(角川文庫)、『明治維新の収支決算報告』(彩図社)など多数の著書がある。