新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、私たちの「働く場所」に対する考え方は大きく変わった。リモートワークという選択肢が増えたことで、働く環境による効率性やモチベーションの違いを多くの人が体験し、リアルに集い顔を合わせることの価値をあらためて認識させられたのではないだろうか。
本書では、リモートワークといったオプションもある中で、あえて「行きたくなる」オフィスとはどういうものか、人が集い価値を創造するのにどんな環境が求められているのか、働く人を対象にした調査結果から、その答えを明らかにしている。集まって働くことの本質には「他者理解」があり、それを前提にグループワークやコミュニケーションを活性化させるオフィスデザインとはどのようなものなのか。著者は株式会社オカムラ ワークデザイン研究所リサーチセンター所長。大阪大学国際公共政策学部招聘教員、名古屋市立大学芸術工学部非常勤講師。空間デザイナーを経て、現在はコミュニケーションと空間環境をテーマに、これからの働き方とその空間の在り方についての研究に従事している。