湾岸諸国の「人的資源」をどう改革すべきか
『「湾岸協力会議」の40年』
The Gulf Cooperation Council at Forty: Risk and Opportunity in a Changing World
1.グローバルトレンドとそれがGCCに与える影響
2.経済的変革
3.労働市場
4.国家と社会の関係
5.地政学的懸念
中東のペルシア湾に面する「湾岸諸国」。多くがアラブ民族を中心とするムスリム国家で、産油国といった共通点がある。世界を巻き込む紛争や戦争が絶えない地域でもある。その湾岸諸国6カ国が1981年に設立したのが湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council, GCC)である。設立40年のGCCの現状と展望とは――。
アメリカで刊行された未邦訳の本書では、「脱炭素」問題や、それに伴う「脱石油」の経済改革、国内の人口動態や世界情勢の変化への対応など、転機を迎えるGCC諸国の取り組みや課題について詳細に論じ、求められる政策について提言を行っている。とりわけ、特有の労働市場の構造に切り込み、脱石油の経済多様化に向けてGCC諸国がなすべきこと、障害となる問題点などを具体的に指摘する。編者のタリク・M・ユセフ氏はブルッキングス研究所外交政策プログラム非常勤シニアフェロー、ブルッキングス・ドーハ・センター所長。アデル・アブデル・ガファル氏はブルッキングス研究所外交政策プログラムの非常勤研究員、カタールのジョージタウン大学外交学部の非常勤教授。