地方のクリニックが構想するバーチャル総合病院
『香川県の小さなクリニックが巨大医療グループへと拡大できた理由』
松本 義人 著
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幻冬舎メディアコンサルティング
| 174p
| 990円(税込)
1.広がる都市部との医療格差 衰退の一途をたどる地方医療の現状
2.医療と経営を両立させることが地域医療を担う開業医の使命
香川県の小さなクリニックが巨大医療グループへと拡大できた理由
3.クリニック経営に必要なのはマーケティングの視点
選ばれるクリニックをつくるための経営戦略
4.医療ネットワークを構築し、自律分散型医療経営を行う
地域格差を埋め平等に医療を提供するためのエリア戦略
5.最先端医療設備の導入、待ち時間の短縮、クラウドサービスの利用
集患・囲い込みを実現させるための診療方針
6.医療・看護・介護・福祉の多職種連携で
地域医療の中核を担う医療グループを目指す
東京都内にはコンビニエンスストアの倍ともいわれる数のクリニックがあるのに対し、地方にはいまだに「無医地区」が多く存在するなど、医療の地域格差は深刻だ。少子高齢化や人口減少が加速する地方において、取りこぼしのない医療を実現し、かつ開業医が安定した経営を実現するにはどうしたらいいのだろうか。
本書は、香川県高松市で検査を専門とする脳外科クリニックを開業した著者が、徐々に拠点を増やし、診療圏内に7つのクリニックを構えるグループ展開に至った経緯や戦略を記している。「未病」にフォーカスした医療の提供、クラウドやスマートフォンアプリ、WEB問診システムなど最新のシステムを駆使した経営の効率化、さらに、地域に根ざしつつシナジーを生み出す「自律分散型」の経営など、クリニックの経営でありながら一般的なビジネスにも通じる多くの工夫がこらされているようだ。著者は西高松グループ理事長。1989年香川医科大学(現・香川大学)卒業、香川医科大学附属病院脳神経外科入局。1994年同大学院修了。米国国立衛生研究所内癌研究所滞在研究員を経て1997年に香川医科大学付属病院勤務。2007年に西高松脳外科・内科クリニックを開業し、現在に至る。