大阪に本拠を置き、自動制御機器や計測機器、光学・電子顕微鏡などの開発および製造販売を手がける「キーエンス」が、経営学、組織論の界隈で注目されている。その成長ぶりのみならず、55%超の営業利益率、2000万円超という社員の平均年間給与といった驚異的なデータが広く知られるようになったからだ。
本書では、キーエンス在籍時に3期連続営業ランキング1位を獲得した著者が、同社独自の、個々の従業員による「数値化」を活用した仕事術を詳しく紹介している。組織やチームとしての「数値化」には他社事例が多いが、キーエンスでは個人が自分の業務プロセスを分解し、各々を数値化してボトルネック(不足分)を割り出し素早く改善する、といった習慣が浸透している。それが個人としての「圧倒的な成果」につながり、ひいては同社全体の急成長を生んでいるようだ。著者はアスエネ株式会社共同創業者兼取締役COO。2009年にキーエンスに新卒入社。2015年に三菱UFJリサーチ&コンサルティングに転職、翌年キーエンスに戻り新規事業の立上げに携わる。2020年アスエネに参画。