大企業の新規事業開発がハマりやすい3つの罠
『大企業イノベーション』
新規事業を成功に導く4つの鍵
北瀬 聖光 著
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幻冬舎メディアコンサルティング
| 190p
| 1,760円(税込)
1.なぜ日本の大企業ではイノベーションが起こらないのか
2.ベンチャー企業にはない大企業ならではの難しさがある
大企業の新規事業開発を成功に導く4つの鍵
3.第1の鍵 事業ビジョン
―カーブアウトか社内事業化か、初動で新規事業のゴールを明確化する
4.第2の鍵 チームビルディング
―社内外から新規事業に適した人材を招集・育成する
5.第3の鍵 評価制度改革
―既存事業の評価制度ではなく、
新規事業の開発ステップに応じた評価制度を細かく構築する
6.第4の鍵 事業開発プロセス
―事業戦略策定、事業検証、事業化準備、事業開始…
プロジェクトのフェーズを明確にしてメンバーの認識を統一する
7.大企業が新規事業を成功させることで、
さらにイノベーション文化を日本に根づかせることができる―
イノベーションというと、多くの人が、これまでにない画期的な製品を世に送り出すベンチャーやスタートアップを思い浮かべるのではないだろうか。だが、伝統のある大企業でも、同様のイノベーションや新規事業開発は可能だ。日本の電機大手の雄、NECでは社内に設けられたBIUというユニットが成功している。
本書では、NECグループにおける近年の新規事業開発をリードする著者が、同社での試みを例にして、事業ビジョン、チームビルディング、評価制度改革、事業開発プロセスという「4つの鍵」を中心に、大企業がイノベーションに成功するために必要となる考え方や方法論について、詳細に語っている。1899年創業のNEC(日本電気)は現在、連結で約11万8000人の従業員を抱える大企業だが、過去に2000年をピークに業績が低迷、2012年には株価100円を切るまでに。その挽回策として設けられたのが「ビジネスイノベーション統括ユニット(BIU)」だった。著者は日本電気株式会社Corporate SVP兼ヘルスケア・ライフサイエンス事業部門長、BIRD INITIATIVE株式会社代表取締役。1993年NEC入社。2017年4月NEC事業イノベーション戦略本部長を経て、2020年共創型R&D事業BIRD INITIATIVE代表取締役就任(現任)、dotData, Inc.取締役等を歴任。